『葬るリキッドルーム』ライナーノーツ

  1. 未完成品
  2. RRRRR
  3. スメル
  4. 光蜜
  5. 流れ星
  6. くちびるの奥
  7. 100LIFE -hiki gatari version-

01. 未完成品

-ライナーノーツ-

友達が「自分はなんのためにこんなことをしているんだろう」なんてふと呟いたことがあったんです。
その時に、そういう気持ちってわかんないこともないけど、なんかちょっと違うよなって感じたんですね。
「なんのためとか、誰のためとかじゃなくて、もっと他に何かあるだろう」って、疑問のような気持ちを。
感じたことを私なりにまっすぐに歌っている歌なので、すこし恥ずかしくもあるんですが、嘘はみじんもないし、今しか書けなかった一曲だろうなと思っています。
まだまだ私も未完成で、答えだって完成に行き着く日が来るかもわからない中、私たちは新たにまた出会って、ゴテゴテになっていく。
そんな中で忘れたくないこととか、なにが核だってことを、やっとまっさらな自分で歌えた一曲です。
たぶんそうやって私たちは死ぬまで、探し続けるので、聴いてくださったみなさんも、こんな私の歌から、何かが新たにまた見つかれば、それが私にとって本望です。


編曲 工藤健太
ギター 工藤健太、ベース 雲丹亀卓人、ドラム 上田淳介


02. RRRRR

-ライナーノーツ-

この曲のアウトロに使ってる、上がってくような単純なコード進行って気持ちいいからすごく好きなんです。
で、それを使った、頭打ちっぽい曲を作りたいなあって思っていて。
ちょうどそんなときにこの歌で歌ってるような気持ちが生まれたんですね。
愛とも恋ともまだ呼べないけど、なんか軽薄にドキドキしたり、ときめいたりするような、そんな一線を越えたいような、越えないような気持ち。
そういう感覚と、メロディのアイディアとがちょうど合わさって、こういう曲になりました。
私自身、ドキドキやさんで、ドキドキすることが大好きなので、ついついこういう歌詞のような薄っぺらいことを、突発的に思いがちなんですが、まあ…そういう本能に従順な部分は、自分自身極端に素直な性格(体質?)をしているのかなあと思います。
こまったものです。
でも、女の子なら少しくらい、心のどこかではこの歌のようなこと思ったりするんじゃないかしらって、勘ぐってる部分もあります。
よかったら、皆さん、検証してみてください。


編曲 徳永暁人
ギター 古賀和憲、ベース 徳永暁人、ドラム 上田淳介


03. スメル

-ライナーノーツ-

このアルバムって、全体的に夜っぽいなって思うんですけど、その中でいちばんムードメーカーみたいな役割を担っている曲だよなって思います。
怠惰感とポップさを両方出したくて、メロディの流れとしては、90年代の日本のポップスっぽい感じを意識して作っています。
それに比べて歌詞が結構難解になってしまったんですが、自分の垂れ流してる欲求と、それに伴ってやるべきことや、誠実に打ち込もうとする姿勢みたいなものを歌っていて。
私にとってそれは、歌うことであって、歌うことで私はやっと自分に誠実であれると思うんです。
なので、私にとって「欲求と歌」って切り離せない関係を持った二つで、言わばちょっとした決意表明とも言える一曲になっています。


編曲 工藤健太
ギター 工藤健太、ベース 大橋雅人


04. 光蜜

-ライナーノーツ-

最初にテーマとして掲げていたのが、「ピーターパン症候群」で、私の中に生まれくる母性とか、甘やかしてあげたいっていう感覚を、メルヘンな音色で表現してみたいなーと思って書きました。
このピーターパン症候群は、私じゃなくて、男性に対してなのですが、男の人って、女の子よりもほんとはずっと純粋な気持ちを持ち続けているような気がするんです。
女の子よりもきっと単純な構造で、より綺麗で潔白なものを求めているのは、ほんとは男性なんじゃないかって思うんですね。
だから、ある意味いつまでも子供で、男性にとっては母親っていう大きな存在ってきっと、よけいに大きな存在であり続けるんじゃないかしらと思うんです。
男性が母親にはなれない分、特に。
だから、まだ十九歳の私が感じたような母性も、守ってあげたいなって思う気持ちも、不思議だけど、年齢とかじゃなく本能的に、間違いなく生まれた感情だったので、ちゃんと今のうちにCDとして形に残せてよかったなと思っています。


編曲 Bonn
ギター Bonn、ベース Bonn
ピアノ ショパン・ザ・ベートーベン


05. 流れ星

-ライナーノーツ-

これはギターのレコーディングが大変でした(笑)ほんとにたっぷりとギターを重ねたので、でもそれがまた、ファンタジックさみたいなとこに繋がっていると思います。
刹那的な時間と、祈るような気持ちを歌っていて、正直今となってはどうして、何がきっかけでこんな歌詞を書いたのか覚えていません。
ただ、書いたときの身を切るようなつらさでいっぱいだった感覚は覚えています。
人間の感覚って不思議ですね。
今後もまだまだ私の中で、姿を変え続ける曲だろうなと思います。
叶わない願いなんてないことを祈るように、闇を切り裂くように、そんな力がこの歌にあるように想いを込めています。


編曲 坂優也
ギター 古賀和憲、坂優也、ドラム 上田淳介


06. くちびるの奥

-ライナーノーツ-

「結局のところあなたと私は、同じ土に返れるんだから、それだけでいい。
ほんとのほんとはそれ以上望んでることなんて無くて。
だけど出会えて、人間として出会えて、結局は現状がいちばんしあわせだったから、これでいいや、十分だ」っていう、日頃思ってもなかなか言えないであろうことを歌っている、幸せな歌です。
でも幸せの価値って、結局はそのときそのときの状況によって違うし、一瞬一瞬のものだし、見方を変えればどこにでも隠れているものだから、そんなふわっとした感情が、伝わればいいなあと思っています。
このアルバムでは一際キラキラした曲だと思います。大切な人を想って、聴いて欲しいです。


編曲 Bonn
ギター Bonn、 アコースティックギター 工藤健太、
ドラム 上田淳介


07. 100LIFE -hiki gatari version-

-ライナーノーツ-

2009年3月に大阪で行われた舞台「ワンハンドレッドライフ」の主題歌として、台本を読みながら書かせて頂いた曲で、2nd AL『U.M.E.』に、オリジナルバージョンが収録されています。
この舞台の中で私は、LITTLE BIRDというガールズバンドのギターボーカルとして夢を追いかけている女の子“満里奈”を演じさせて頂いたのですが、この曲は彼女が友達を励ますために作った歌で、舞台でも弾き語りで演奏するシーンがありました。
ステージの上で、役者として演じることもとても面白いんですが、やっぱり私は歌っている時がいちばん落ち着くんだなあと、ここが私の居場所なんだなと改めて感じました。
今回、2010年4月に東京での舞台再演に参加させて頂いたこともあって、このアルバムにも弾き語りバージョンを収録したいなと思ったんですが、最近、弾き語りライブをする機会も多いので、こういうライブをしてるんだなと面白がって聴いて頂けたらなと思っています。
ギター一本の弾き語りを音源化するのは初めてのことですが、実際に聴いてくださっている人のそばで歌っているような気持ちで録音したので、より生身っぽい私を感じてもらえたらいいなと思います。
ぜひ、聴いてみて、そして、ライブにも足を運んで頂ければ幸いです。


編曲 植田真梨恵
アコースティックギター 植田真梨恵